サブリース契約に潜むリスクとは?リスクを負わないために確認すべき3つのこと
「サブリース契約にどんなリスクが潜んでいるのか知りたい」「リスクないという確信と安心がほしい」サブリース投資に興味はあるけれど、リスクはあるのかどうか漠然とした不安を抱えてはいませんか?
様々なメディアでサブリース投資のリスクが囁かれていますが、すべてのサブリース契約が「悪」ではありません。サブリースの理解を深めれば、リスクを回避することが可能です。
このページでは、サブリース契約に潜むリスクとリスクを負わないために確認すべき3つのことを解説します。これからサブリース契約を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
サブリース契約に潜む3つのリスクとは?
サブリース契約のリスクを知る前に、サブリースについておさらいしていきましょう。サブリース契約とは、転貸借契約のことで、又貸しや一括借り上げ、マスターリースとも言います。
サブリース契約は、賃貸事業を行っている会社がアパート経営の知識がないオーナーに代わって物件を管理・運営する契約です。また入居者のクレーム対応や入退去管理をすべてお任せできるため、投資初心者や遠方に住んでいるオーナーにとってメリットの高い投資方法と言えます。
しかし、近年ではこのサブリース問題が社会問題となっており、2011年には国土交通省が事業者登録制度を設けたり被害事例を公表したりするなど、国が対策に身を乗り出すようになりました。
サブリース契約には、以下のような3つのリスクが潜んでいると考えられています。
リスク1.人口減少による供給過多
国内では、人口減少による空き家率が増加しています。
総務省統計局が集計している「平成25年住宅・土地統計調査(速報集計)結果の要約」によると、空き家率は過去最高の13.5%を記録したというデータが公表されました。一方、共同住宅数は年々増加し、現在では住居の中のうち42.4%が共同住宅という調査結果もあります。
以上のことから、空き家は増え続けているけれど共同住宅の数も増え続けているということがわかります。
これはサブリース問題に関わらず、賃貸管理を行っているすべてのオーナーが抱える大きな賃貸経営のリスクのひとつです。
リスク2.家賃保証には期限がある
サブリース契約には通常家賃保証が含まれていますが、半永久的に賃料が支払われるものではありません。この認識の違いがリスクを生じる原因となっています。
家賃保証とは、オーナーとサブリース業者が賃貸借契約を結ぶことで、サブリース業者がオーナーに家賃を支払うシステムです。そのため、入居者がいなくても賃料を得ることが可能です。
しかし、サブリースの家賃保証には契約期間と賃料見直し制度も導入されています。つまり、不動産市場や空室率によって賃料が下がることや契約期間が終了することがあるというシステムです。
「家賃保証に加入していれば、入居者がいなくても需要がなくてもずっと賃料を生み出せる」という夢のようなサービスではありませんので、注意してください。
リスク3.法律的に立場が弱い
サブリース契約では、サブリース業者よりもオーナーの立場が法的に弱くなることがリスク要因のひとつです。
そもそもこの問題は、日本の法律の仕組みがそのように決められています。民法では、貸主よりも借主の立場が守られており、オーナーよりも入居者の立場が守られ、オーナーが退去させたいと思っても簡単に退去させることはできません。
そして、サブリース業者は借主の立場にあたります。入居者やサブリース業者は立場が守られる「借主」で、オーナーは立場が弱い「貸主」という位置付けです。
サブリースという賃貸借契約をやめたくても簡単にやめられない理由は、ここにあります。サブリース業者は法的に守られるため、オーナーの意思が通りにくいというリスクが問題視されています。
しかし、賃貸借契約では「貸主の正当事由」と「解約通知」があれば賃貸借契約を解除することが認められています。絶対にオーナーから解約できない!という法律はありませんので、安心してください。
サブリース契約でリスクを負わないために確認すべき3つのこと
サブリース契約には、いくつかのリスクがあることがおわかりいただけたと思います。
それでもサブリース契約に魅力を感じ、利益を出したいと考えるオーナーのために、リスク回避の方法をご紹介していきます。現在、サブリース契約中のオーナーも、今後の投資戦略の参考にしてみてください。
確認ポイント1.賃料見直し時期はいつか
賃料見直し時期がどの程度に設定されているのか、契約前に契約書を確認しましょう。
サブリース契約には賃料の見直し時期が設定されていますが、「何年おきに賃料見直しがあるのか」「どの程度見直されるのか」この2点をチェックしてください。長期保証という広告があっても、この契約の中で幾度か賃料の見直しが入り、見直しの結果相場と賃料が見合わない場合は、賃料減額となります。
賃料見直しの条文は以下のように記載されています。
「乙は賃貸借契約開始から○○年ごとに、転貸借料の変動や状況を勘案して改定した賃料を定めることができる」
この〇〇部分に記載されている年ごとに賃料改正が求められているため、何年おきにどの程度減額されるのかは見ておきましょう。
もし、オーナーが賃料改正に不信感を抱いた場合は、周囲の賃貸住宅の相場を調べて根拠を提示しながら家賃減額請求に応じないという方法もあります。
確認ポイント2.賃料の分配率や費用はいくらになるのか
家賃収入はオーナーとサブリース業者が見込み賃料に対して保証料率のもとで分配されます。さらに、賃貸管理では経費がどの程度かかるのかも考慮しておく必要があります。
リフォーム費用や修繕費用がどの程度かかり、収益からどの程度ひかれるのかも契約時に問い合わせてみてください。
確認ポイント3.管理会社の変更や解約は可能か
契約の途中でも管理会社を変更することは可能かどうか、確認してみましょう。
空室率が改善されなかったり修繕費用が割高だったりなど、業者の対応に不安を感じた場合、管理会社の変更希望を出したくなることもあると思います。管理会社を変更することができるのか、解約時に不当な違約金請求はないのか契約書をよく見てみましょう。
もし契約書を見てもわからないときは、担当者に遠慮なく質問してください。不動産契約書は素人には難解な点も多いものです。ささいな疑問も聞きにくいと思わずに契約時に業者に確認してみましょう。
すべてのサブリース契約がリスク大ではない!業者の見極めを!
サブリース契約が問題視されている背景には、契約時の知識不足や見解の違いも含まれています。不利な契約が進まないように契約前に信頼できる業者かどうか見極めることが必要です。
信頼できるサブリース業者を見極めるコツは、以下になります。
信頼できるサブリース業者を見極めるコツ |
・賃貸管理に特化した業者かどうか
・大手の名前だけで選ばない ・サブリース物件で利益をあげている実績があるか |
サブリース問題では、CMでよく耳にする大手不動産会社もトラブルを起こしています。「大手だから安全」とは言い難く、業者の見極めが非常に難しくなりました。
そこで、信頼できるサブリース業者を選ぶときは、過去の実績や賃貸管理に特化しているかどうかをよく確認するようにしてください。
不動産会社にも個性があり、売買に強い会社が賃貸管理も強いとは限りません。過去の実績をネットや広告などで確認し、「サブリース事業に力をいれている会社かどうか」を調べることが、サブリース問題で失敗しないための方法です。
まとめ
「オーナーが法的な知識を持つこと」と「業者を見極める」ことで、サブリースのリスクを軽減させることができます。サブリース自体が悪ではなく、サブリース契約を上手に活用していくことが大切です。
サブリース業者の中には悪徳な業者もいますが、オーナーと共に収益を出している会社もあります。オーナー自身もリスクとメリットを考慮したうえで、サブリース契約を進めていくかどうか判断してみてください。