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VOL.29

住宅状況診断(ホームインスペクション)

2018年5月1日|| by 堀口 雅人
住宅状況診断(ホームインスペクション)

■宅建業法の改正

 

平成28年5月に宅地建物取引業法の一部を改正する法律案が成立し、平成30年4月より施工開始されました中古住宅の売買契約、又は賃貸借契約時の重要事項説明を行う際、過去1年以内の住宅状況診断(ホームインスペクション)の有無、行っている場合は調査結果を開示し、劣化状況を説明することが義務付けられました。

もう1点、宅地建物取引業者が売主または買主に住宅状況調査(ホームインスペクション)を行う業者を紹介、斡旋できるかどうかを告知することも義務化されます。可能な場合は意向に応じて斡旋します。

斡旋が不可能な場合は買主側で探すか他の不動産会社に紹介してもらう事となりますので、出来れば取引先を探しておき、頼りになるところをアピールしたいですね。

住宅診断の実施の有無を開示することは義務となりますが、診断自体は義務付けられたわけではありません。また、この制度は、以前から新築住宅にも中古住宅にも任意で行われてはいましたが、今回義務化されたのは、中古住宅のみ。既存住宅のストックが増えるなか、流通を活性化させる為にも中古住宅を選ぶ際の不安をいかに安心に変えられるかが大事なポイントとされています。そのためにも、住宅診断の実施は売買を行う上の付帯サービスとして、今後より需要が増えてくることが考えられます。

専門的な第三者目線での診断となりますので、売る側は、買主に事前に情報を開示しておくことで、売った後の物件の不具合についてのトラブルを防ぐことができるというメリットがあります。逆に、買主側も、欠陥住宅の購入するリスクが減り、安心してマイホームを持つことができるメリットがあります。

 

■住宅診断とは?

住宅診断(ホームインスペクション)とは専門の調査員(インスペクター)によって住まいの劣化状況・欠陥の有無の報告や改善時期及び改善方法のアドバイスや不具合箇所を直すために掛かる概ねの費用の算出などを行ってもらえます。

主な調査箇所・内容は以下の通りとなります。

(建物内)

・水廻り :作動確認、漏水 など
・居室  :仕上げ材、床壁の傾き、漏水痕、亀裂ひび割れ など
・建具等 :作動確認、建付け など

 

(屋根裏)

・梁、柱  :漏水痕、亀裂ひび割れ など
・断熱材 :有無、状態確認 など

 

(床下)

・基礎   :亀裂ひび割れ・蟻道・劣化 など
・配管   :固定金物状態、勾配・水漏れ など
・構造部 ;腐食、亀裂ひび割れ など
・断熱材 :有無、状態確認 など

(建物外)

基礎   :モルタルの劣化剥離、蟻道 など
外壁   :コーキング劣化、亀裂ひび割れ、仕上げ材 など
軒裏   :漏水痕、腐食、亀裂ひび割れ など
屋根   :仕上げ材 など
これらの調査はあくまで目視によるものです。天井や壁は壊したりせず、点検口など確認とれる場所がある場合は実施しますが、出来ない場合は調査出来なかったという報告になります。なかなかマンションですと床に点検口が設置されていない事が多かったりしますので、一戸建てと比べると調査出来る範囲は限られてしまう可能性はあります。

居住中の住宅でも同じように家具・家電が置いてあり、移動することが困難な場合も調査不可となります。尚、診断料金は上記の目視による点検であれば、一般的に5~7万円程度が一般的だそうです。目視以上の調査を希望される場合もオプションにはなるようですが、ファイバースコープやサーモグラフィーなどの機材を利用して、診断を実施してもらえますので築年数を考慮したうえで見てもらう内容を増やし、今後の修繕計画を立てる事で急な出費も抑えられかもしれませんね。

 

■既存住宅の今後

今回の制度が普及することで、売買する際は診断をすることが一般的となり、しっかりと定期メンテナンスを行うことで安心して住み続けられる家が増えることでしょう。

今後、新築の供給がゼロになることはないとは思いますが、2年前の2016年には首都圏の新築マンションの販売戸数を中古マンションの成約戸数が初めて上回りました。新築の販売価格の高騰が大きな要因ではあるとは思いますが、都心で中古住宅を購入し自身の好きなようにこだわりのリフォーム・リノベーションを行いたいという消費者も増えてきております。

一方で、空き家問題はさらに深刻化すると言われておりますので、空室を収益化する事を企業理念としております当社にとって、無視は出来ない問題です。

私どもは既存住宅・空室に対して付加価値をつけられるよう日々チャレンジをしておりますので空室にお困り方がいらっしゃれば一度当社までご相談いただければ幸いでございます。

 

 

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