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サブリースの知恵ぶくろ

VOL.33

不動産業界を揺るがすニュース

2018年7月24日|| by 二宮 周平
不動産業界を揺るがすニュース

衝撃的な内容でした。

5月29日に放送された「ガイアの夜明け」をご覧になった方も多くいらっしゃるかと思いますが、ニュースでも多く取り上げられておりましたが、㈱レオパレス21社が施行した建物におきまして、界壁が天井裏まで達していない物件が発覚した、という内容でした。

 

界壁とは、マンション・アパート・長屋住宅などの各住戸の間を区切る壁で、戸境壁とも言われます。

建築基準法上、共同住宅などの戸境壁は、遮音上問題となるすきまのない構造にすると共に、耐火構造または準耐火構造または防火構造とし、小屋裏または天井裏に達するように設けなければならないとされています。

これが天井裏まで達していないという事は、火災が発生した際には、屋根裏から容易に延焼してしまい、火災発生箇所以外のお部屋にもすぐに火が廻ってしまいます。

また、音も屋根裏から隣室に通りやすくなってしまうのです。

音に関しては、直接の危険性は無いのですが(だからと言って良いわけではないのですが)、火災におきましては、人命にかかわる問題ですので、この問題は深刻です。

 

同社の調査結果によりますと、問題になったシリーズの建物におきましては、調査済み184棟に対し、168棟に界壁が無かったそうです。

その割合はなんと9割以上!

その後、調査した建物290棟に対しては38棟(一部不備の建物も含む)という発表で1割強程度ですが、本来、法律上で定められた内容ですので問題無いのが当たり前、充分に多い割合と言えると思います。

 

実際に、この問題が報道されてから、界壁を理由とする退去も発生しているようで、同社の情報によると、2018年7月16日の集計時点で、6月で398件、7月で231件が退室の申し入れが入っているようです。

 

また、この界壁の設置・補修工事ですが、一棟あたり60万円程度かかるようです。

工事に伴い、入居者様のお引越も必要です。

これらの費用は全て同社が負担して行うという発表がされておりますのでオーナー様におかれましては一安心だとは思いますが、上記のような割合で工事が必要になるとすると、同社の負担は数億~数十億という莫大な費用になります。

 

現在では、対策本部を設けられて、調査及び補修工事、また原因究明と再発防止に取り組んでいらっしゃるようですので、早急な改善によりオーナー様の資産価値の維持と、利用者様の安全が守られることを見守って参るとともに、今後の続報にも注目したいと思います。

 

不動産業界の地位向上を期待する者としましては、このような事態が非常に残念でなりません。上場しているような大手の会社ですと、注目度も影響度も大きくなりますので尚更です。

業界の地位向上の為には、不動産に携わる者がお客様に対して真摯な態度で誠実でなければならず、利益追求だけに走ることなく信頼度を向上させなければならないと考えておりますので、誠に無念でございます。

先般もスマートデイズ社を初めとするシェアハウス業者の問題、及びスルガ銀行の不正融資問題と、悪いニュースが立て続けに起きており、非常に残念です。

また、これらの件により、本来関係ないはずの『サブリース』というものまで懐疑的に見られる可能性があり、それも懸念しております。

当サイトでも前述しておりますが(参考:https://la-sublease.com/chiebukuro/subleaserisk5/)、オーナー様の大事な資産ですので、しっかりと吟味し、自身でも調査し、いろんな人や業者の意見も聞きつつ、慎重に選定いただければと思います。

 

繰り返しになりますが、

「サブリース」というシステムが悪いのではなく、「サブリースをする会社で問題が起きた」、または「サブリースを悪用して不当な利益を得ようとした会社があった」というだけである。という事を改めて皆様にご理解いただければと思います。

 

当社は建築を行っておりませんので、界壁等はあまり関係がないのですが、住宅のリフォーム・リノベーション工事、またオフィスをレンタルオフィスやコワーキングスペースにコンバージョンする工事は行っております。

その際には、入居者様・利用者様が快適に利用でき、オーナー様の資産価値が向上するにプランニングする事は当然なのですが、利益を追求するのではなく、コンプライアンスも当然に重視してプランニングしております。

住宅であれば、消防設備・給排水設備・昇降機設備の点検報告や、商業設備(特に飲食店)との複合施設になる場合の設備の追加・変更等、行政や所管機関との確認を行い、問題にならないよう重視して取り組んでおります。

オフィスですと、レンタルオフィスという特殊な案件になります。レンタルオフィスは、細かく区分けした部屋になりますが1部屋は1部屋です。法律・法令も対応したものはございませんので、現状の法律・法令と照らし合わせて合致するようにしなければなりません。条文の解釈も該当するか難しい点も多々発生しますので、実際に各自治体の建築課や消防と事前に綿密な打ち合わせ・確認を行い、コンプライアンス違反とならないよう努めております。

 

今後も、オーナー様の大事な資産と利用者様の命を預かり管理する者として、考えさせられる報道でございました。

改めて気を引き締めて、プランニングから管理運営に取り組んでまいりたいと思います。

他にもあります!

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