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サブリースの知恵ぶくろ

VOL.34

宅地建物取引主任者と宅地建物取引士

2018年8月20日|| by 大石 誠
宅地建物取引主任者と宅地建物取引士

◆宅地建物取引士への名称変更意義

現在、お陰様で多くの管理物件をお預かりさせて頂いており、また、サブリース物件も創業以来減額実績なしとご好評頂いておりますが、このサブリース賃料を維持していく為に様々な営業手法を用いて地域の不動産業者様にお部屋紹介の依頼をさせて頂いております。

不動産業者さんがお部屋紹介をしてから申込、審査、契約に至るまでに必ず説明を受ける重要事項説明。この重要事項説明とこの説明をする宅地建物取引士について今回改めて考えてみます。

不動産業に関与された事が無い方でも1度は聞いた事があると思われる国家資格『宅建』。不動産に携わる者として避けては通れない資格ですね。毎年20万人以上もの方が受験をされている人気の資格です。一時期は受験者数も減少傾向でしたが、ここ数年は再び増加傾向にあり2014年から2017年までは微増ながらも毎年数千人増えています。

現在今年の受験申込者数はまだ発表されていませんが、7月17日に受付を締め切ったインターネットでの受験申込受付状況は前年度比10.1%増の6万4,599人となった事から今年の総受験者数も更に増えることが予想されます。合格率は15%~16%前後ですが勉強すれば合格できる資格ですので今年受験される方は是非合格して落ち癖が付かないようにしたいものです。

因みに当社では月2万円の資格手当が支給されます。また、勉強費用(テキスト代など)最大10万円まで補助があります。これは勿論・・・『合格』すればの話です。

話は逸れましたがこの宅建、正式名称は『宅建建物取引主任者』としての知名度が圧倒的に高いですが、2014年6月18日参議院本会議にて従来の『宅建建物取引主任者』から『宅地建物取引士』へと名称変更されました。では何故変更になったのか、その理由を皆さんご存知でしょうか。当時私は、ただ名前が変わっただけだと何も考えずに業務に取り組んでいましたが、改めて調べてみると当時の現場での取引、契約の現状など踏まえると当然の名称変更ともいえそうです。この約10年程で宅地建物取引に関わる環境も徐々に本来あるべき姿へと変化しており、実際業務に携わる私自身も変化を実感しています。

この宅地建物取引士への名称変更は2015年より施行された訳ですが「主任者」から「取引士」へのいわゆる「士業」へ格上げがされた事になります。具体的には社会的責任を一層問われる内容に変化したとも言えます。

主な変更点としては、

※ 第5条変更

・ 宅建業の免許取得、宅建士の資格登録につき、欠格事由(免許取得、資格登録できない要件)として、「暴力団員等」追加

※第15条変更

・ 宅地建物取引士の業務処理の原則

・ 信用失墜行為の禁止

・ 知識及び能力の維持向上

※第31条変更

・ 宅地建物取引業者の業務処理の原則に、「従業者の教育」追加

 

この中で私が特に気になったのが 第15条 信用失墜行為の禁止です。
10年程前、私が実際に営業先で取引させて頂いた業者さんの中にも驚くような契約方法で、取引をしていた担当者をみかけた事があります。

覚えている中には

・ 契約者では無い方への契約取り交わし

・ 無資格者による重要事項説明

・ 郵送契約

・ 有料での物件案内

・ キャンセルができない

 

特に悪質なのは

・ 重要事項無説明

により契約を取り交わした業者なども少なからずあります。

このような取引が継続され続け当然ながら契約者とのトラブルが多発し、資格失効、業務停止などを受け結果廃業に追い込まれる業者さんもあったようです。当時私が1度だけ取引をさせて頂いた業者さんも残念ながら上記に該当してしまった事があり廃業に追い込まれました。当時の取締役からは『未取得者がいるから業務違反が起きる。全員が宅地建物取引主任者(旧名称)を取得すれば無資格者の説明は撲滅できる。』と資格取得を強く促す発言を幾度も聞かされた事があります。それだけ有資格者の認識が希薄であり、今後更に悪化する懸念も可能性も考えられた為「士業」へ格上げとなったと認識しております。

 

 ◆取引士の役割

一般の方が賃貸借契約書、売買契約書の説明を受ける機会は人生においても数える程度しか無く、更に売買においては高額の取引の為、契約者が理解できる判りやすい説明が求められます。ここ数年はただ書類を読むだけの事務的な説明をするのではなく契約者と会話を図りながら、顧客満足度の高い対応も求められるようになっていますので、知識だけではなく、コミュニケーション能力も問われる資格へと変化していると感じます。

この取引士の説明が適切でないと契約の破断、入居後トラブル、訴訟などの影響がでてきます。また、家主様からの立場ではサブリースの解約にも繋がり兼ねない重要な役割を担っています。

今回の法改正及び名称変更は、契約者が安心して不動産取引ができる環境を整備し、不動産取引の専門家として、公平な立場で取引を行い、業務に従事する取引士の自覚、意識向上を促すための改正といえます。取引士は常に最新の知識で取引に従事し今後更に需要、価値の上がると思われるこの資格の価値を自分たちの手で育てていく義務があります。

 

◆サブリース契約における重要事項説明

上記に述べてきたのは通常の賃貸借契約における重要事項説明についてですが、サブリース契約の場合について最後にお話ししたいと思います。

サブリース契約も一般の賃貸借契約のように宅建業法が適用されるかというと、実はそうではありません。「自らが貸主」になり、アパートやマンションなどを経営・管理する場合は宅建業に当たらないとされ、サブリース契約の場合、個人オーナー(貸主)から建物を借り上げ、それを転貸する業者(サブリース業者)も「自ら貸主」と考えられるからです。

そこで、国土交通省は、2011年、多発するサブリース契約にまつわるトラブル防止のため、賃貸住宅管理業務の適正化を図ることを目的に「賃貸住宅管理業者登録制度」を導入しました。当社も登録業者です。この制度では、サブリースを含む賃貸住宅管理業の遵守すべきルールを定めており、重要事項説明に関しても2016年に改正がなされました。

※貸主への重要事項説明等を一定の資格者が行うよう義務化

・一定の資格者(管理事務に関し6年以上の実務経験者、賃貸不動産経営管理士)による書面の交付、説明、記名押印を行う

※サブリースの借り上げ賃料等の貸主への重要事項説明の徹底

・説明すべき事項として、借賃及び将来の借賃の変動に係る条件に関することを明記

注意すべきなのは、この登録は任意制であり、登録していない業者には何ら規制を及ぼすことはできないという点です。サブリース会社を選ぶ時の判断材料の一つになりますので、ご確認いただくことをおすすめいたします。後々トラブルを起こさないようにするには、何よりも、サブリース契約におけるリスクや立場の弱さを十分に理解した上での契約締結です。

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