賃貸住宅管理業者登録制度
◆賃貸管理における安心と信頼を図る制度
「賃貸住宅管理業者登録制度」って皆さんご存知でしょうか?
ご存知の方もそうでない方もいらっしゃることでしょう。似たような名前の資格もありますから、
混同されてしまうかもしれません。
賃貸住宅管理業者登録制度は比較的新しく、平成23年に国土交通省によって定められた制度です。
この制度は、登録を受けた賃貸住宅管理業者の方が行う業務について一定のルールを定めることにより、
その業務の適正な運営を確保するとともに、貸主と借主等の安心と信頼を図ることを目的としています。
言い換えると、賃貸住宅管理事者が必要な申請を行うことで、国土交通省から、
定められたルールを守った賃貸管理業務を行っている業者であることを認定してくれるという制度です。
本制度への登録は任意であり、その登録業者数は少し前のデータになりますが
2016年11月時点で6350弱の登録業者数と、全国の賃貸住宅管理業者の一部しか登録を行っておらず、
浸透にはまだ時間がかかりそうな状態です。
しかし、この制度が普及すれば、消費者の方が適正な管理業務を行っている
管理業者や賃貸住宅を選択することが可能となり、賃貸住宅の管理に関する
共通のルールが普及するとともに、賃貸住宅に関するトラブルが減少することが期待されます。
この業者は本制度への登録業者かな?と気になった場合は、ウェブ上で確認をすることができます。
「賃貸住宅管理業者 検索」というキーワードで検索をすると
国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムが出てきますので、
そちらで調べることができます。
このように登録事業者を公表することにより、物件のオーナー様や賃貸住宅を探されている方は
管理会社や物件選択の判断材料として活用することが可能となります。
◆信頼いただける管理会社を目指して
賃貸住宅管理業登録制度の登録対象となる事業者とは?
まず、賃貸住宅管理には次の二種類があります。
- 受託管理型・・・貸主の委託を受けて管理
- サブリース型・・・転貸の場合の貸主として管理
この二種類を業として行い、次の基幹事務と言われるもののいずれかを行う賃貸管理会社、
サブリース会社が登録の対象となります。
(これは法人に限らず個人事業主の場合でも対象となるようです。
ただし、個人大家はこれには含まれません。住宅ではないビルや駐車場のみの賃貸管理を行う
事業者も対象外です。)
<基幹事務>
- 家賃、敷金の受領にかかる事務
- 賃貸借契約の基幹の更新にかかる事務
- 賃貸借契約の終了にかかる事務
基幹事務とともに受託する建物・設備の点検や維持管理、賃借人様からの問い合わせや管理報、
苦情対応などを行う運営、調整業務等についても含まれますが、基幹事務を受託せずに建物・設備の
保守点検業務のみを行っている場合は管理事務には該当しません。
登録するのに条件はあるの?
国土交通省の定める賃貸住宅管理業者登録規程に違反していないこと、
そして国土交通省の定めた賃貸住宅管理業務処理準則に沿った賃貸管理業を行うことが条件です。
(国土交通省HP:http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_fr3_000012.html)
賃貸住宅管理業者登録制度に登録するメリットは?
この制度に登録することにより、当社のようなサブリース会社が得られるメリットはあるのでしょうか?
・・・実は直接的には多くはありません。
この制度が必要になった背景は、家賃や敷金、更新料に関するトラブルや家賃滞納者への
強引な取り立てが問題視される等、賃貸物件に関する様々なニュースが報道されたり、
一部の悪質な業者により不動産の賃貸管理業全体に対しての信頼感が問われるように
なってきたことがあります。
賃貸住宅の管理業を始める際は、特に資格や免許が必要でないことと、
業務を規定する明確な行政ルールがないこともあり、
残念ながら質の低いサービスを行う業者がいることも事実です。
そこで、賃貸住宅のトラブルを防ぎ、管理業者の業務内容に一定のルールを定めるのがこの制度。
借主や貸主を不要なトラブルから防ぐため、強制ではありませんがルールを明確化し、
賃貸管理業者の質を高めることがこの制度の目的です。
そのため、当社のような賃貸管理会社やサブリース事業者にとっては
直接的なメリットはそう多くはありません。
しかし、間接的なメリットとして以下の3点があげられます。
- 賃貸管理会社を探しているオーナー様から見て安心できる業者という信頼を得られる
- 入居者は優良業者が管理していると安心し、入居決定の一因となる
- オーナー様・入居者双方からの信頼が増すことで管理受託数の増加、客付けの促進が見込める
つまり、この制度に登録することで、国土交通省のお墨付きをもらい、オーナー様、
借主様に対して優良な業者であることのアピールにつながるのです。
最後になりましたが、実は当社もこの制度に登録しています。
登録している以上、ルール通りの業務処理を行い業界のモラル向上に努めていかなくてはなりません。
今一度気を引き締めて賃貸管理業に取り組まなくてはですね。