不動産にまつわる税金の話③「印紙税」
印紙税について、知っていますか?
一般的には、領収書をもらう時に接する印紙税。
個人的には、一番納得いかない税金です。
なんで書類を作っただけで、税金を払わなければならないんだ!?と思いませんか?
みなさんは、そもそも、なぜ印紙を貼るのか、知っていますか?
印紙税は、印紙税法によって「課税文書」が規定され、課税文書は印紙を貼らなければなりません。
『印紙税額一覧表』平成28年5月現在
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/inshi/pdf/zeigaku_ichiran.pdf
不動産取引の印紙税は、高額。
不動産に関わるもので、課税文書を簡単にまとめると、下記の通りです。
〇不動産売買契約書、土地賃貸借契約書、建築工事請負契約書。
〇領収書に類するもの。受領証も含む。
〇金銭消費貸借契約書、信託契約書、保証委託契約書。
5,500万円のマンションを購入すると、3万円の印紙税(軽減適用後)を貼付しなければなりません。
しかも、売買契約書は2通作成することが殆どですよね。
その場合、それぞれに貼付するので、合計6万円。
通常、売主買主で折半します。
一部業者間取引などでは、印紙節約の為、「契約書を1通しか作らない」場合も有ります。
「本書1通を作成し、甲乙記名捺印の上、乙が原本を、甲がその写しを保有する」なんて記載します。
写し(コピー)は課税対象ではないけど、権利の証明は(それなりに)できるという抜け道です。
11億円の不動産を売買すると、32万円/通の印紙税。
2通作成か、1通作成かで、売主買主それぞれ16万円の節税になるんですね。
印紙税の注意点は色々。
たまに間違って認識している方がいらっしゃるのですが、
印紙が貼っていなくても、契約は有効に成立しています。
ただ、印紙税法違反なので、税務署に指摘されると追徴課税の対象となるというだけです。
ちなみに、文書の作成者が納税義務者ですが、この「作成者」は、「文言を考えて、印刷製本した人」ではありません。
「甲」「乙」等記載される、契約当事者を指しますので、ご注意下さい。
作成者=納税義務者を利用して、工事請負の印紙税を節税するワザもあります。
建築工事請負契約書は課税文書なので、契約当事者の施主様と建設会社が、通常印紙税を折半します。
でも、建築工事発注書は非課税。請書は課税文書。
なので、施主様から発注書を発行し、建設会社が請書を発行する場合、施主様は印紙税不要になります。
そして、不動産賃貸業をされるかたにとって大きいのが、「建物賃貸借契約書は非課税」ということです。
国は、「不動産売買するような人は納税できるだろうから、支払ってね。
でも部屋を借りる人の中には、お金がない人もいるかもしれないから、
払わなくてもいいよ」と考えているんですね。
大家さん、当社のようなサブリース会社にとってはありがたい事ではあります。
最後に、土地賃貸借契約書は課税文書です。
土地を借りて、建物を建てるなら、印紙は必要です。
では、駐車場は?
土地を借りて、自動車の駐車場として利用するなら、印紙は必要です。
駐車場として整備された区画を借りるなら、印紙は不要です。