不動産にまつわる税金の話②「節税」
タワーマンションだけではない!タワマン節税のカラクリ。
今回は、「タワマン節税」についてのお話です。
タワーマンションなんて関係ない!と思ったあなた。
「タワマン節税」のカラクリが見えていませんよ~。
前回、相続税の計算方法と、実勢価格と評価額の差を利用する
相続税の節税について、お話ししました。
今回のポイントは、「評価額は専有面積で決まる!」です。
共同住宅の場合、土地や建物全体で評価額や税額を算出し、
それを専有面積で割って、個々の部屋に関する税額を決定します。
タワーマンションなら、低層階よりも高層階のほうが価格がずっと高くなりますが、
床面積が同じなら、税金は同じなのです。
実勢価格と評価額の差が大きくなりすることが問題視され、
今回の税制改革では、20階以上のタワーマンションで、
マンション全体の税額は変えずに、段階的に配分を変えることによって、
低層階と高層階で10%ほどの差をつける、ということが検討されています。
でも、マンションの価格って、高さだけでしょうか?
タワーマンションでなくても、部屋ごとに坪単価にバラツキがありませんか?
高層階⇔低層階
南側⇔北側
眺望良好⇔眺望不良
廊下のつきあたり⇔エレベータ目の前 等々…
同じ建物、同じ設備でも、価格に影響する要素はたくさんあります。
忘れがちですが、1部屋当たりの専有面積も大きな影響があります。
専有面積が狭いほど、一坪あたりの価値(価格)は高くなります。
25平方メートルの1K 2部屋と50平方メートル2DK 1部屋。
単純に計算すれば、評価額は同じ。
でも、資産価値は25平方メートル2部屋の方が高くなります。
例えば、2000万円+2000万円>3200万円、というイメージですね。
「専有面積」が同じなら、かかる税金も同じというのなら、
実勢価格が高いほうが、実勢価格と評価額の差が大きくなり、節税効果が高まります。
税金のことだけを考えたら、「オトク」ということが言えると思います。
と、ここまで書きましたが、不動産を利用した節税には、大きなリスクがあります。
そもそもの「不動産価格の変動」です。
不動産価格は、常に変動しています。
100万円節税しても、200万円資産価値が下がったら、100万円の損失です。
その上、不動産売買には、仲介手数料、不動産取得税、登録免許税、印紙税などの費用が掛かります。
5000万円で買って5000万円で売ったら、間に若干の収益があったとしても、
損失がでる場合がほとんどでしょう。
不動産投資、不動産賃貸運営は、
あくまでリスクを背負った「事業」であることを忘れないでください。
次回は、あまり重要視されない「印紙税」について書こうと思います。