総額表示の義務化によって不動産表記はどうなる?
令和3年3月31日をもって、
「誤認されないような措置をしていれば総額表示でなくてもよい。」
とされていた特例が終了しました。
そして令和3年4月1日から「総額表示」が義務となりました。
さて、この義務化ですが、
1.「誰のための何のための措置なのか。」
簡単に言うと、
消費者が値段を誤認しないように、
はっきり一目でわかるようにするための措置です。
そして、
2.「何に対しての表示義務なのか。」
値段を表示している商品やサービスのすべてについて
「TVやチラシ、カタログ、ネット通販など口頭以外のすべての媒体」で
「不特定かつ多数」に対して
「あらかじめ価格を表示する」
場合に発生します。
3.「実際に表示方法はどう変わるのか。」
総額表示をすれば、あとに続く表示に特に決まりはありません。
例えば
15,000円の商品があったとします。
この時点で消費税が8%なのか10%なのか不明瞭ですし
総額でいくらなのかが一目でわかりにくい状態です。
16,500円という表示さえしていれば、下記のような表示が可能です。
16,500円(税込)
16,500円(税抜15,000円)
16,500円(内税1,500円)
税抜き価格の表示をした際でも、後ろに税込み価格を示せば大丈夫です。
15,000円(税込 16,500円)
また1円未満の端数は、四捨五入、切り捨て、切り上げいずれの処理でも問題ありません。
4.「総額表示でなくてもよい価格はあるのか。」
”契約書” ”見積書” ”請求書”
などの不特定ではなく、特定の人に対する書類は
総額表示でなくても問題ありません。
5.「不動産では何に対して総額表示義務があるのか。」
ポイントは
「不特定多数に対してかどうか。」
です。
例えば、物件の図面は不特定多数の人に対して募集を示すものなので、
「総額表示」
ですが、
契約書、請求書は特定の人に対して発行するものなので
「総額表示義務はありません。」
では、図面の中に記載する他の費用はどうでしょうか。
具体的には、鍵交換費用、火災保険料、クリーニング費用や消毒費用、
保証会社保証料等々ですが、
これらすべてに対して総額表示義務があるといえます。
中には火災保険料、保証料など税金がかからない性質のものもありますから
税抜きや税込みの表示の他に「非課税」という表記もあり得るでしょう。
こういった場合もすべて総額表示にすれば、更に誤認が起きにくくなり
消費者にとって大きなメリットとなるでしょう。
主旨としては、「消費者を守るための表示」ということですね。
私たちもより見やすい不動産情報をお届けできるように
今まで以上に注意して業務にあたるよう気持ちを引き締めて
いきたいです。