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VOL.18

賃貸管理上のトラブル① 「家賃の滞納」

2017年10月27日|| by 西原 和芳
賃貸管理上のトラブル① 「家賃の滞納」

◆家賃滞納トラブル

 

不動産管理を行う上で、一番のトラブルと言えば、家賃滞納トラブルです。

家賃滞納が高じてくれば、大家さんと借主の賃貸借関係も破綻してしまいます。

破綻した契約関係等を解決するのは、簡単ではありません。

それは、いくら家賃支払い滞納の状態にある借主と言えど、法律で保護されている部分があるからです。

この事を理解せずに「強引に自分で解決しようとする」大家さんが後を絶ちません。

結果からお話しすれば、この行為は「自力救済」と呼ばれ、今の日本では認められない事に

定義されています。

つまり「不法行為」と位置付けられている行為です。

 

◆自力救済とは…

 

自力救済とは、文字通り自分の力で問題を解決する事ですが、普通に考えると

「何が悪いのか?」となってしまうと思います。

日本では、対人間の問題、行為についての結果責任を法律に依らない方法で解決する

行為が禁止されています。

 

これが許されてしまうと、至る所で「仕返し」や「リンチ」が横行し、

法治国家のテイをなさなくなり、力が支配する「フィクション映画」の世界になってしまいます。

では、どんな事が「自力救済」にあたるのか。賃貸借関係でお話しすると・・・。

 

①.家賃を払わない借家人の部屋の鍵を交換して部屋に入れなくする事。

 

②.夜討、朝駆けで家賃の回収に頻繁に訪れる事。(相手の勤め先に同じことをする事も同じ結果)

 

③.滞納者の部屋に勝手に侵入し、部屋の荷物を他の場所に移したり、処分したりする事。

 

※大家さんの立場だと、何もできないように感じるほど厳しいのです。

 

だからといって、迂闊に①〜③の事を行ってしまうと・・・。

「不法行為」「不法侵入」「名誉棄損」などの「訴訟」を起こされた場合、まず、勝てません。

 

家賃回収や滞納解決、退去どころか「損害賠償」命令などを貰ってしまい、

実質的な損害が大きく増えるだけでしょう。

「法に依らない解決」は、日本では「百害あって一利なし」です。

 

◆支払い滞納時に取るべき行動

 

では、どうしたらいいのか?

「法に依る解決」を図るしかありません。

以下に、わかり易く解説します。

 

1.まず、支払い滞納が発生します。

2.滞納者への連絡、催告などを行います。(ここで解決すれば終了)

3.それでも解決しない。

4.連帯保証人へ連絡、催告を行います。(ここでも解決すれば終了)

5.それでも解決しない。(訴訟の準備を始めます)

 

訴訟の準備というのは、

・弁護士に相談する〜〜「訴訟」に必要な準備を始める為の手順、必要な証拠などを揃える。

・少額訴訟〜〜弁護士に比べて費用が安くできます。(但し、金額的・範囲的な限度もあります。)

 

※いずれにしましても、「4」以降の手続きを行う場合は必ず「専門家」にお願いしてください。

「訴訟」と言いましても、必要な措置や色んな行為・状態を証明する書類など分からない事が

多々でてきます。

 

この後行われるのは、「賃貸契約の契約解除」→「明渡請求訴訟」→「強制執行手続き」

という流れになりますが、行方不明で滞納なんてケースの場合には、「公示送達」などという

手続きがあったり、滞納滞納期間も1〜2か月ぐらいでは「訴訟」自体が受け付けて貰えなかったり・・・。

 

場合によっては、滞納者が生活困窮者だったりすると、契約解除や明渡請求訴訟が

出来ない場合もあります。このように手続きや処理、対応が簡単ではありません。

また、ケースバイケースな事もありますから、専門家に相談は必至です。

不動産経営に関しては、信頼のできる不動産会社さんにおまかせすることをお勧めします。

 

◆サブリース契約ではどうなる?

ここまでを読んでいただくと、とても面倒でそこまでのリスクがあるなら、

不動産投資なんかやりたくないと思われるかもしれませんが、

「入居者トラブルで訴訟の当事者にならない」というのが、サブリース契約のメリットの一つです。

たとえ、滞納のようなトラブルが発生しても、入居者から見た大家やサブリース会社になり、

オーナー様が訴訟の当事者になることはありません。サブリース会社が入居者とトラブルになっても、

契約には影響を与えず、収入は家賃保証で確保されますので安心ですね。

 

 

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