建物老朽化の建て替えについて

今回は不動産オーナーによくある悩みについてお話します。
建物が老朽化して建て替えを考えているが入居者が住み続けているので建て替えが出来ない。
建物が老朽化すると空室が目立ち新しい入居者も決まらなく収益性が悪化します。
建て替えを検討するのであれば退去後に入居募集を控えて全て空室になった際に建て替え工事を行いますが、
問題は建物が老朽化しても引っ越さない入居者がいる場合です。
一人でも入居者がいれば建て替える事が出来ないので雨漏りや水道トラブルなどが発生した際は
その都度修繕工事を行わなければなりません。
最終的には立退料をお支払いして退去して頂く必要がありますが200万円を超えるような
高額になるケースもあるので注意が必要です。
貸主からの賃貸借契約の解除には正当事由が必要ですが、
建物の老朽化による建て替えというだけでは正当事由とならないため
借地借家法上は無償にて入居者を退去させられず、入居者は希望する限り住み続ける事が出来ます。
賃貸借契約解除の正当事由になりえるのは下記となります。
1.借主の契約違反
2.借主が家賃を滞納している
3.借主が迷惑行為を行っている
借主に過失がある場合には賃貸借契約の解除は認めらやすい傾向にありますが、
建て替えなどの場合は建物の倒壊する緊急性や立退料などの経済合理性を含めて総合的に判断して
裁判所で立ち退きが認められるケースもあります。
将来の建て替えなどを考えるのであれば、定期借家契約などで期間の定めを設けて
賃貸募集を行う必要があります。