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VOL.43

住宅ローンを使って投資用不動産は買えるのか?

2019年8月4日|
住宅ローンを使って投資用不動産は買えるのか?

不動産投資を始めようと思うと、必ずと言っていいほどセットとして考えなければならないのがローンです。

不動産投資の場合は初期費用が他の投資よりも高額となる傾向があります。数千万円の現金を用意することは難しいため、多くの場合はまとまったお金を準備するためにローンを活用することとなるでしょう。

 

不動産購入に利用できるローンには不動産投資ローンと住宅ローンがあり、住宅ローンを投資用不動産の購入の為に使おうと考える人も少なくありません。

しかし、住宅ローンと不動産投資ローンはあきらかにローンの名前から用途が分かれています。

投資用不動産購入のために住宅ローンを使うことはできるのでしょうか?

 

そこで今回は、住宅ローンを使って投資用不動産を購入することはできるのかなどを紹介していきます。

 

住宅ローンとは

住宅ローンとは、本人等が実際に居住する住宅を購入する目的に特化したローンです。

住宅を購入するには高額のお金が必要になります。例えば年収400万円のサラリーマンが3,000万円の住宅を購入するのに、現金一括で支払うのは非常に厳しいですよね。

一般的には、自己資金として、物件価格の一部や仲介手数料などの諸費用を用意し、不足分をローンとして借り入れます。以下、わかりやすくするため、諸費用はすべて自己資金で用意し、物件はフルローンとします。

 

物件を購入しようとする方は、銀行から住宅ローンとして3,000万円を借りる必要があります。

銀行も3,000万円という大金を最長35年という長期に渡り貸すことにはリスクがあり、回収見込みがなければ簡単には貸すことが出来ません。

そこで銀行は購入する住宅に抵当権を設定します。住宅を担保に取り、万が一の場合は競売にかけて残債務を回収できるようにすることで、3,000万円を貸してくれるのです。

 

加えて、住宅ローンを借り入れる方は、自ら住居することが目的であり、返済意識が高く、安定した職業に就いている優良顧客も多いため、投資に比べて貸し倒れのリスクが低くなります。

 

また、住宅ローンを利用する場合は、多くの場合団体信用生命保険(団信)加入が必須となっています。万が一の場合や、がんなどの疾病で収入を得ることが難しくなった場合、残債が免除されたり減免されたりすることにより、利用者は住まいを失わず、金融機関は返済を担保できるようになっているのですね。

 

住宅ローンについて考える場合、住居(のためのローン)の提供という公益面を忘れてはいけません。

住宅ローンの金利は、消費者ローンはもちろん、教育ローンや自動車ローンなどと比べても、非常に安く設定されています。借入額が多額になりますので、金利が低くても利息金額がそれなりに見込めるという理由もありますが、生活の基本である衣食住を提供し、生活の安定を図るという公益的側面から、金利が低く設定されていることを念頭に置いておきましょう。

 

フラット35

住宅ローンにはフラット35という有名な商品があります。

通常は銀行ごとに住宅ローンの商品を組み立てていのですが、このフラット35は住宅金融支援機構と全国300以上の金融機関が連携して取り扱う、全期間固定金利型住宅ローンです。借り入れから返済まで金利が変わらない固定金利となっており、元利均等返済と元金均等返済の好きな方を選ぶことが出来るのです。

フラット35のメリットは、金利が変動しないだけではなく、一般的な住宅ローンの場合では加入必須な団体信用生命保険への加入が任意だったり、保証人不要で保証料が0円、審査が緩やかで個人事業主の人でも通りやすくなっていることが挙げられます。

 

不動産投資ローンとは

不動産投資ローンは賃貸経営(不動産投資)のために資金を調達するローンです。

不動産投資ローンと住宅ローンでは、金利や返済期間、融資に伴う審査基準が違います。

 

基本的に住宅ローンよりも不動産投資ローンのほうが金利は高くなります。家賃収入が返済原資となるため、不動産の経営状況によっては家賃収入が低くなり、貸し倒れのリスクが高くなるので金利水準が高くなるのはお分かりいただけるでしょう。

 

返済期間はマンションやアパート、RC造やS造などの物件の構造、新築や中古などの築年数によって変わります。新築物件の場合は返済期間が35年や30年と長くなり、中古物件の場合は20年などと短くなる傾向があるのです。

 

審査基準に関しては、住宅ローンは本人が住むことや返済能力を基準に審査をしますが、不動産投資ローンは、本人の返済能力だけではなく不動産投資の事業内容も審査をされます。満室想定賃料だけではなく、空室率や経年による賃料低下、修繕費用なども織り込み、投資として適当か、事業として成立するかを見極めることが重要でしょう。

 

住宅ローンで不動産投資の物件を買うことは?

さて、不動産投資ローンがあるのに、何故住宅ローンで不動産投資の物件を購入しようと考えるのでしょうか。

それは、不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高かったり、融資のための審査が厳しく、また住宅ローンの方が返済期間を長めに設定することができるためです。

「自宅」を購入する目的だから得られる融通を、不動産投資に利用しようと考えるのですね。

 

住宅ローンで不動産投資の物件購入はできない

不動産投資のために住宅ローンを利用すれば、金利が安くなり、支払う期間も長くなるので月々の支払が楽になると思うかもしれません。しかし、基本的に住宅ローンは不動産投資の物件購入には使えません。

なぜなら、住宅ローンは自己居住の不動産購入に目的を限定しているから、様々な優遇を得られているためです。住宅ローンは自己居住を目的とした不動産の購入を契約条件としています。不動産投資に住宅ローンを使った場合は、契約違反となることを認識しなければなりません。

 

住宅ローンで不動産投資の物件を購入できる場合も

しかし、住宅ローンを使って不動産投資用の物件を購入できた場合もあります。

よくある事例としては、自己居住用の住宅を購入したが、転勤などの都合で引っ越しを余儀なくされ、賃貸として貸し出すというものです。当初は居住用の住宅として利用していたが、結果的に不動産投資となったということはあります。

 

この場合、必ず賃貸に出す前に金融機関に相談しましょう。

転勤や家族環境の変化などの場合、組み換えを求められる場合もありますが、事前に相談することで、そのまま賃貸に出すことの承諾を得られることもあります。

 

問題となるのは、住宅用と偽って不動産投資の物件として購入した場合です。

一部の不動産業者が低金利・長期ローンで組めると購入者を誘導し、さらに銀行側の担当が、営業で実績を出すために許可を出していることもあるようです。

このような担当者はお客様のことを考えず、ただ目先の成績のため、売れたらその後は知らないという考えなのでしょう。

 

住宅ローンを利用して不動産投資を行うと

住宅ローンを利用して不動産投資の物件を購入できたとしても、その後不動産投資とバレてしまう可能性は高いと思ってください。

 

住宅ローンの審査中には不動産投資用の物件と金融機関が気付く可能性は低いかもしれません。不動産投資の賃貸経営が始まるまでは、本人が住むと偽ることが出来てしまうからです。

 

しかし、実際に物件が建った後には様々なタイミングで金融機関に伝わる可能性があります。

金融機関の監査、郵便物や賃貸募集広告、更には担当者が通りかかった時に気づくなど、一旦金融機関が不振に思い調査をすれば、実際に居住しているのか、賃貸に出しているのかは簡単に判明するでしょう。

 

バレてしまった場合は即時返済を求められることも

では実際に住宅ローンを不動産投資に利用していると判明した場合はどうなるのでしょうか。

 

基本的には契約違反ということとなり、銀行側から住宅ローンとして未返済分を一括返済として求められることになります。この場合当然のことながら分割返済は認められません。

場合によっては、だましたとして詐欺罪などで訴えられる可能性もあるのです。

 

先日、不動産投資のためにフラット35を悪用した事例が報道されました。

不動産業者が不動産投資のセミナーを開催し、お金に困っている若者達に「借金を帳消しに出来ると同時不動産も持てる」と勧誘することで人を集め、金融機関から居住用の物件と偽り、フラット35を利用して投資用不動産を売っていたのです。

不動産業者は金融機関に不動産価格を上回る金額で申請を行い、差額を報酬として得ていた可能性も報道されています。

フラット35を提供する住宅金融支援機構は、契約違反の可能性があるとして調査を始めており、調査次第で不正を確認できれば全額一括返済を求める方針のようです。

 

この件のお客様は不動産業者に騙された被害者でもあるのかもしれません。しかし金融機関との融資契約で考えると、契約違反を行ったのはお客様となります。

一括返済ができなければ、不動産は競売にかけられ、それでも残債残れば返済義務だけが残ることになります。最悪自己破産となるかもしれません。

 

投資は自己責任。

業者の甘言に踊らされないよう、自身で契約内容の確認や投資判断をすることが絶対に必要です。

 

賃貸併用住宅の場合はどうなる?

「住宅ローンを賃貸併用住宅としてアパートを建てるのに使ってはどうなのだろうか」と思う方もいるのではないでしょうか。この場合。住宅ローンのルールに従っているわけですので、問題ないように見えます。

その通り。一応住宅ローンで賃貸併用アパートを建てることはOKとなっているのです。

しかし1つ条件があり、建物の規模に対して自分の居住空間を50%以上にしなければなりません。この条件を守ることが出来るのであれば、投資用不動産であるアパートを住宅ローンで建てることが可能となります。

 

まとめ

住宅ローンはあくまでも自己居住用の住宅のために使うものです。賃貸併用住宅であるアパートを建てるなどの一部の例外を除き、不動産投資のために住宅ローンを使用することはできません。

もし住宅ローンを不動産投資に利用していたことが判明してしまうと、ローンの即時全額返済を求められたり、信用を毀損させてしまうことがお分かりいただけたと思います。

ローンを分割で年数をかけて返済していく予定が一括で返済を求められ、最悪一括返済が出来ずに物件が競売にかけられたり、訴えられる可能性もあるのです。

 

投資用不動産の購入に住宅ローンを利用するよう勧誘されたら、それは投資すべき案件ではないと考えましょう。

 

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